BOSCO 20周年を迎えて
20th Anniversary
パチカン宮殿の「署名の間」の名画、ラッファエロ「アテネの学堂」を眺めながら、絵の周りを飾っている額縁は何で出来ているのだろうか?と思いを廻らせていました。
当時、私は駆け出しのジュエリーデザイナーでした。
ヨーロッパの額縁の駆体が木であること、日本画の材料と同様に膠を使用していること、表面は純金箔を施していること··
ローマを起点にヨーロッパの美術館と教会を見て歩きながら、常に黄金に輝く装飾的な額縁がついて回ります。それは私が目指している仕事と素材こそ一線を画すものの、主体である絵を宝石と見なすなら、宝石の額をデ
ザインするのと同じ事ではないかと考えはじめました。すばらしい事にそれら古典額縁の素材と技法は長年の風雪に耐えられる、とても丈夫な自然素材である事もわかりました。
バチカンでの出会いから数年後、念願であった古典額縁制作を学び初めます。
その後、勤務していた(株)大沢商会デザイン室で私のジュエリーコレクション用に作って頂いた商標『BOSC0』を譲渡して頂きました。
BOSCOとはイタリア語で『「森』のこと。『森からのテーマを森からの素材で』は、私
のその後の制作活働を大きく変えて行きます。 おかげさまで、『BOSCO』を創りながら20周年を迎えることができました。今後も未知の創作に向けて進んで行こうと思います。
桜井みどり
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